2006年白馬の旅(2日目):8月12日(土)

<キャンプ場から白馬駅へ>
 4時30分に起床する。朝食は味噌汁とふりかけご飯で、いとうまし。6時出発、管理棟にキャンプの鑑札を返し、管理棟の隣にある民俗資料館に後ろ髪を引かれつつも、白馬駅へと向かう。早朝のひんやりした空気が心地よい。

[Image] 〔写真1:早朝の大糸線〕

 昨日来た道を戻って白馬駅に到着する。バスの出発時間まで時間があるので昨日切れた電池の購入に行く。白馬駅周辺にはコンビニは無いので、駅前の土産物屋を数件回り、やっと購入し、ほっとする。明かりも何も無い状態のキャンプはご免こうむりたいものだ。

<白馬駅から栂池高原駅へ>
 栂池までのバスとリフトの片道乗車券を販売所で購入する。往復にすると多少安いらしいのだが、この時点では、まだ縦走する気持ちも残っていたので、とりあえず片道のみにする。栂池高原行きのバスに乗車する。お盆シーズンのせいだろうか、ほぼ満席状態だ。バスの車窓は塩の道沿いということで高地の農村の景色が続く、昨日も見たウバユリが沿線で咲き誇っているのが印象的であった。30分ほどで終点の栂池高原駅に到着する。
[Image] 〔写真2:栂池高原ゴンドラリフト栂池高原駅〕

<71歳のおじさんとお話し:栂池高原駅からリフトの始発駅へ>
 そこからリフトの待合の所へと向かう。リフトは6人がけのボックス形式だ。
[Image] 〔写真3:リフト乗り場〕

 乗り合わせたおじさんに話し掛けられる。聞くと現在71歳で、リタイア後、各地を旅行するのを趣味としているとか。旅先の気安さか、色々と話し掛けてくる。ここのリフトは高度感があり、かつ、僕が高所恐怖症気味であるためか、クレヨンしんちゃんでいう所のオマタスース−状態だ。おじさんにはちょっと悪いが、生返事だったことだろう。いわく、戦中派なので、体が大きくなれなかったとか、今は、山菜にはまっていて、とってきたものを保健所の人に見せて、毒があるかどうか、見てもらっているという。旅先で人恋しくて、話をしたくてたまらないという感じだ。母親が101歳で元気だとか。よろず話し掛けられる。話し込んでいるうちに、リフトの終点だ。ここで、71歳のおじさんとはいったん別れることに、何やら急いでいる雰囲気であった。
 次のロープウエイの始発駅まで、コメツガの原生林の中をゆっくり10分ほどかけて歩く。コメツガの清涼感のあるニオイが満ちていて心地よい。しかし、周辺は午前中だというのに薄暗くなっていて、いかにも降りそうな感じだ。
[Image] 〔写真4:ゴンドラリフトからロープウエイまでの連絡道〕

<71歳のおじさんと再会:リフトの始発駅から栂池へ>  ロープウエイは30人ぐらいは乗れそうな感じだ。ほぼ満員で出発する。さきほどのおじさんもこのゴンドラに乗っている。ロープウエイはコメツガの原生林をまたいで、どんどんと高度を稼ぐ。進行方向の左手には白馬の山々が迫ってくる。
[Image] 〔写真5:リフトの窓から望む白馬岳〕

 進行方向にちょっと小高い山、白馬乗鞍岳が見えてくる。残雪がまだ残っているようだ。到着したが、空模様はますます悪くなってくる。先ほどのおじさんとまた同行することになる。沿道の植物の名前とかを色々と教えてもらう。そして、そのおじさんも、どうも僕と同じ青春18キップで来ているという。山をやる人たちに、青春18キップは流通していることを知る。そして、そのおじさん、東京で用事があるので、トンボ帰りで、すぐもどらなくてはいけないとか。ここまで来て、栂池自然園も見ていかないとは、ほんとに残念だ。すると、そのおじさんから、餞別代りなのか分からないが、自分はもう帰るからいらないのでと、オニギリ2個とゆで卵1個、オレンジ、梅干のセットをくれるとのこと。断るのもなんなので、ありがたく頂く。おじさんは直ぐ戻るということで、お礼をいいつつ、そこで別れることに。感謝感謝、貧乏旅行には貴重な昼食だ。

<雷雨で停滞:栂池山荘にて>
 もう少し先の山荘に到着するとほぼ同時に豪雨となる、もちろん雷もなりだすというオマケつきだ。この豪雨では、この先にある白馬大池まで行くのは困難であると判断し、今日はこの山荘に泊まる事にする。フロントに行ってみると料金表がはっていないので、ちょっといやな予感がする。料金を聞いてみると、期間割増かつ高地割増なのか、一泊二食で1万円以上となるという。ちょっと高いと思い、素泊まり風呂つきにしてもらう。1泊2食の夕食のメニューを見たが、こんな山の上でそんな豪華なものを食べなくても良いではという印象だ。白馬岳の山小屋は豪華な食事が出るのが有名だが、その影響なのであろうか。
 フロントで料金を前払いし、隣接する栂池自然園に向かう。カメラ以外のの荷物をフロントの前の荷物置き場に置かしてもらう。部屋に置いておきたい所だが、チェックイン前なのでやむおえない。まあ、こんな豪雨の中、重い荷物を盗むような人もいないであろう。
 山荘の中は雨で移動出来ない人たちであふれていた。アナウンスによると、この雷雨でリフトは停止しているという。よって上がってくる人がいないので、山荘はパンクしないような感じだ。そして、その山荘で初めて知ったのだが、リフトが完全に止まった場合はリフトに並走する形で林道があるので、臨時バスがでるという話しを聞く。普段は一般車は通行禁止で、非常の時だけの措置らしい。よし、こんどはリフトを使わず、林道で歩いて来ようかと、ふと思ったが、我がガラスの膝のことを思い出し、即却下する。

<おにぎりうまし:栂池山荘にて>
 雨がやまないので、食堂で例のおじさんにもらったオニギリ&ゆで卵を食する。いとうまし。食事後、朝早かったこともあって、ちょっと睡眠をとる。目覚めると、少しづつ雨が上がる気配だ。隣接するビジターセンターへ行き、もう少し詳しく天候状態を把握してみる。雨はかなり小降りとなり、雷の音もかなり遠ざかったのがわかる。そろそろ栂池自然園にいけそうな感触を得る。
 しかし、そのビジターセンターの掲示板によると、当初予定していた白馬乗鞍岳経由の白馬大池行きの道は残雪が多く、軽アイゼン程度は必要そうな書き込みであったので、今回の縦走は残念ではあるが諦めることに決定。残念では有るが、山は逃げはしないと、慰める。単独では無理は禁物だ。

<栂池自然園の紹介>
 栂池自然園は湿原地帯とちょっとした小高いピークがあり、その中を木道やら、遊歩道が張り巡らされた自然公園だ。ちょっと乱暴な言い方をすれば、超ミニ尾瀬という感じだろうか。
 地形・地質的には、直ぐそばにある白馬乗鞍岳はかつては火山であったということであるから、溶岩か火砕流でせき止められて出来た湿地であろうと推測される。園内は普通に回ると3時間半かかるという、それなりのボリュームのあるところでもある。単なる観光用の出で立ちでは行けないような感じだ。
[現在地(概略)]
[現在地(詳細)]

<栂池自然園で撮影三昧>
 かなり晴れ間も見えてきたので、午後1時ぐらいに栂池自然観察園に向かう。最初は曇りがちであったが、夕方頃は晴れ間が大きく広がるという絶好の撮影条件だ。そして、園内はリフトから登ってくる客がいないため、ほとんど貸しきり状態であった。
 園内の入り口部分で、杓子岳(左)と白馬岳(右)が見え、早速カメラにおさめる。
[Image] 〔写真6:杓子岳(左)と白馬岳(右)〕

 ヒオウギアヤメとワタスゲとニッコウキスゲが同時に見られるのは、尾瀬でもなかったような気がする。同じ高地にある湿地とはいえ、かなり、気候条件、地質条件も違うのでこういった違いも生じるのであろう。キヌガサソウを初めて見る。高山植物ながら、ちょっと派手な花だなという印象だ。
 撮影ポイントが多すぎて、中々前に進めない。結局のところ、全工程の半分ほどを3時間かけて回り、元の入り口に戻る。後半部分の撮影は今度来たときにしよう。

<栂池自然園内の写真あれこれ>
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〔写真7:サラシナショウマ〕
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〔写真8:オニシオガマ〕
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〔写真9:オニシモツケ〕
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〔写真10:チングルマ〕
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〔写真11:カニコウモリ〕
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〔写真12:エンレイソウ〕
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〔写真13:キヌガサソウ〕
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〔写真14:ニッコウキスゲ群落〕
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〔写真15:ニッコウキスゲ〕
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〔写真16:シラネアオイ〕
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〔写真17:シナノキンバイ〕
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〔写真18:ヒオウギアヤメ〕

<山荘の外で夕食>
 山荘に戻ると丁度夕飯時だ。山荘のベンチのところで、ガスバーナーで飯を炊き、味噌汁をつくる。目の前には白馬の山々が連なる。なかなかいい景色だ。しかし、山荘の泊り客数10名のうち、自炊は僕だけであったようだ。ちょうど食事の時間帯が重なり、その食堂からはガラス張りで丸見え状態となり、ちょっとばつが悪かったのは確かであるが、なーに、外で食べた方が美味いに決まっていると、優越感に浸る筆者であった。
 残念ながら夕焼けは見れなかったが、暮れなずむ山の景色を堪能したあと、部屋にもどる。部屋に入ると、オンボロフェリーの艦内のような振動音が響き渡る。どうやらボイラーの振動音のようだ。かなり気に障る音だ。それも風呂の終了する9時ぐらいには静かになり、ようやく山の静けさを取り戻す。山小屋と違い、きれいなシーツときれいな畳の個室はありがたい、風呂に入り、明日の予定をあれこれ考えつつ、眠りにつく。

■本日のデータ
○天気 晴れのち雷雨そして晴れ
(白馬駅近くのキャンプ場)−−>(JR白馬駅)−−>(栂池高原駅)−−>(栂池)
○食事
 朝食:ふりかけご飯と味噌汁
 昼食:おじさんからもらったオニギリとゆで卵
 夕食:ご飯、魚肉ソーセージ、乾燥野菜入り味噌汁
○宿泊
 山荘素泊まり